日本の年末(ねんまつ)年始(ねんし) ~クリスマスとお正月(しょうがつ)の準備(じゅんび)~

仏教(ぶっきょう): Buddhism

English article is here; https://japaneselanguagesalonbymikapanda.com/the-end-of-the-year-and-the-beginning-of-the-new-year-christmas-and-new-years-day-in-japan-1217

「年末年始」とは

こんにちは、ミカです!

もう今年(ことし)も終(お)わろうとしていますが、皆(みな)さん、クリスマスの準備(じゅんび)は進(すす)んでいますか?

「年末年始」というのは、「年(とし)の終(お)わりと始(はじ)まり」という意味(いみ)です。つまり、12月(じゅうにがつ)26日(にじゅうろくにち)から1月(いちがつ)3日(みっか)前後(ぜんご)のことを指(さ)します。

日本ではお正月も大事(だいじ)なので、年末年始の期間中(きかんちゅう)はお休(やす)みになるお店(みせ)やスーパー、施設(しせつ)、クリニックなどがあるので気をつけましょう!

ところで、国(くに)や地域(ちいき)によって12月(じゅうにがつ)にすることは全(まった)く異(こと)なると思(おも)います。もちろん、キリスト教(きょう)が国教(こっきょう)ではない国でクリスマスは祝(いわ)わないでしょう。

しかし日本では、キリスト教が国教でないにも関(かか)わらず、クリスマスとお正月の両方(りょうほう)の準備をしなければならないのです!!

日本におけるクリスマス

日本とクリスマスの歴史(れきし)

日本に初(はじ)めてクリスマスが伝(つた)わったのは、16(じゅうろく)世紀(せいき)のことです。

イエズス会(かい)の宣教師(せんきょうし)の一人(ひとり)、フランシスコ・ザビエルがミサを行(おこな)ったのが起源(きげん)とされていますが、当時(とうじ)の日本ではキリスト教徒(きょうと)が弾圧(だんあつ)されていたので、隠(かく)れキリシタンの間(あいだ)でひっそりと祝(いわ)われるだけでした。

その後(ご)、明治(めいじ)時代(じだい)【1868~1912】になってようやく大衆(たいしゅう)に知(し)られるようになりましたが、第二次(だいにじ)世界大戦(せかいたいせん)によって再(ふたた)び世間(せけん)から姿(すがた)を消(け)してしまいます。

そして終戦後(しゅうせんご)の1950年(せん/きゅうひゃく/ごじゅう/ねん)、クリスマスは2回目(にかいめ)の復活(ふっかつ)を遂(と)げたのでした。

日本のクリスマス

日本では、12月になったらクリスマスツリーやリースなどを飾(かざ)る家庭(かてい)が増(ふ)えてきました。

また、夜(よる)の街(まち)はイルミネーションで光(ひか)り輝(かがや)きます。驚(おどろ)くことに、イルミネーションを個人(こじん)の家(いえ)で行(おこな)う人もいるんですよ!

クリスマスイブやクリスマス当日(とうじつ)は、家族(かぞく)や友人(ゆうじん)同士(どうし)で集(あつ)まってパーティーをしたりプレゼント交換(こうかん)をしたりします。恋人(こいびと)同士は、もちろんロマンチックなデートをするのでしょう。

そして子供(こども)たちは、サンタさんからのプレゼントを心(こころ)待(ま)ちにして眠(ねむ)りに就(つ)くのです。

しかし、いずれ彼(かれ)らは何(なん)らかの理由(りゆう)でサンタの正体(しょうたい)が自分(じぶん)の親(おや)であることを知(し)ることになります。私はサンタ神話(しんわ)に対(たい)して半信半疑(はんしんはんぎ)だったように思(おも)いますが、母(はは)がサンタ宛(あ)ての私の手紙(てがみ)を持(も)っていたので、12歳(さい)の時(とき)に気づきました。

しかし、サンタがトナカイの牽(ひ)くソリに乗(の)って子供たちにプレゼントを配(くば)る話(はなし)や「赤(あか)い鼻(はな)のトナカイ」、「ジングルベル」などは知(し)られているものの、クリスマスの本来(ほんらい)の意味(いみ)を知っている日本人は少(すく)ないかもしれません…。

では、なぜ日本人はクリスマスのお祝いをするのでしょうか? それは、日本人がお祭(まつ)り大好(だいす)きだからです!

日本の年末

お歳暮(せいぼ)の準備

まずは、「お歳暮(せいぼ)」という、その年(とし)にお世話(せわ)になった人へのプレゼントを用意(ようい)します。「今年(ことし)もありがとうございました、今後(こんご)ともよろしくお願(ねが)いいたします」という気持ちを込(こ)めて選(えら)び、写真(しゃしん)のように熨斗(のし)で包(つつ)みます。

お歳暮は13日(じゅうさんにち)から20日(はつか)の間(あいだ)に親戚(しんせき)や親(した)しい友人(ゆうじん)、取引先(とりひきさき)などに贈(おく)るのが一般的(いっぱんてき)で、中身(なかみ)はお菓子(かし)やお酒(さけ)、ハムなど、実(じつ)に幅広(はばひろ)くなっています。

しかし、贈ってはいけないタブーなものもあるので気(き)をつけましょう!

商品券(しょうひんけん)や現金(げんきん)、下着(したぎ)や靴下(くつした)は相手(あいて)を蔑(さげす)む失礼(しつれい)な贈り物(もの)になってしまいます。

次(つぎ)に、刃物(はもの)や鋭利(えいり)なもの、ハンカチもよくありません。ハンカチは昔(むかし)「手巾(しゅきん)」と呼(よ)ばれていて、「手切(てぎ)れ」という言葉(ことば)を連想(れんそう)させるため、刃物や鋭利なものと同(おな)じく「縁(えん)を切(き)る」というイメージがあるからです。

最後(さいご)に、櫛(くし)もお歳暮としては不適切(ふてきせつ)です。なぜなら、「ク」は「苦(く)」、「シ」は「死」を意味(いみ)するからです。

お節(せち)料理(りょうり)とお雑煮(ぞうに)の準備

Osechi

さて、クリスマスが終(お)わったら今度(こんど)はお正月の準備です!!

1月(いちがつ)1日(ついたち)から3日(みっか)までの連休(れんきゅう)のことを「三が日(さんがにち)」と言(い)いますが、三が日には欠(か)かせない「お節料理」を予約(よやく)したり、材料(ざいりょう)を買(か)ったりしなければいけません。

加(くわ)えて、「お雑煮(ぞうに)」という、お餅(もち)の入(はい)った汁物(しるもの)も一緒(いっしょ)に食(た)べるので、その材料(ざいりょう)も必要(ひつよう)です。

お雑煮は、お餅の形(かたち)や味(あじ)、材料が地方(ちほう)によって違(ちが)うので食べ比(くら)べると面白(おもしろ)いと思いますよ!

お正月飾(かざ)りの準備と大掃除(おおそうじ)

 

また、自宅(じたく)にあるツリーやリースを片付(かたづ)けて、お正月飾りを出さなければいけません。また、家中(いえじゅう)の隅々(すみずみ)まで綺麗(きれい)にする「大掃除」も重要(じゅうよう)なミッションです。

お正月飾りや大掃除については、こちらをご覧(らん)ください。

年賀状(ねんがじょう)の準備

「年賀状」とは、親族(しんぞく)やその年(とし)にお世話(せわ)になった方々(かたがた)、長(なが)い付(つ)き合(あ)いのある友人(ゆうじん)や親戚(しんせき)などに送(おく)る新年(しんねん)の挨拶(あいさつ)状(じょう)のことです。

若(わか)い世代(せだい)は新年の挨拶をオンラインで済(す)ませがちですが、できれば廃(すた)れてほしくないと思(おも)っています。

年賀状を誰(だれ)かに送りたい場合(ばあい)は、クリスマス当日(とうじつ)、つまり12月25日(にじゅうごにち)までに投函(とうかん)すると元日(がんじつ)、つまり1月1日に届(とど)きますよ。

ちなみに、2023年の干支(えと)は兎(うさぎ)なので、中央(ちゅうおう)で大(おお)きく描(えが)かれています。干支は毎年(まいとし)替(か)わるので、2024年の干支は龍(りゅう)になります。

干支については、こちらをご覧(らん)ください。

お年玉(としだま)の準備

「お年玉」とは、お正月休みの間(あいだ)に自分の子供や甥(おい)、姪(めい)などに渡(わた)すお小遣(こづか)いのことです。子供たちにとってのお正月の最大(さいだい)の楽(たの)しみと言っても過言(かごん)ではないでしょう。

「お年玉」の由来(ゆらい)は、年神様(としがみさま)の魂(たましい)が宿(やど)った「鏡餅(かがみもち)」です。昔(むかし)の人々(ひとびと)は、年神様のために鏡餅をお供(そな)えした後(あと)、子供たちや大人(おとな)たちにそのお餅を分(わ)け与(あた)えていたそうです。なので、最初(さいしょ)は「御年魂(おとしだま)」と言われていましたが、いつの日(ひ)か「お年玉」と呼(よ)ばれるようになりました。

お餅がお金(かね)になったのは、昭和(しょうわ)後期(こうき)の高度経済成長期(こうど/けいざい/せいちょう/き)【1955~1972年頃(ねんごろ)】とされています。

大晦日(おおみそか)の過(す)ごし方(かた)

12月(じゅうにがつ)31日(さんじゅういちにち)、つまり1年(いちねん)の最後(さいご)の日(ひ)のことは、「大晦日」と言います。「晦日(みそか)」が一か月(いっかげつ)の最後の日という意味(いみ)なので、そのように呼(よ)ぶようになりました。

ところで、日本には「大晦日の夕食(ゆうしょく)は年越(としこ)し蕎麦(そば)を食(た)べる」という習慣があります。

ところで、なぜお蕎麦(そば)なのでしょうか?

その理由(りゆう)には諸説(しょせつ)ありますが、「蕎麦のように細(ほそ)く長(なが)く生(い)きられますように」という長寿(ちょうじゅ)の願掛(がんか)けのため、また蕎麦は切(き)れやすいので「今年(ことし)の災厄(さいやく)がスパッと切れますように」という願掛けのために食(た)べるという説(せつ)が有力(ゆうりょく)なようです。

また、大晦日の夜には、その年に流行(りゅうこう)した歌(うた)を歌手(かしゅ)たちが男女(だんじょ)に分(わ)かれて披露(ひろう)し合(あ)い、評価(ひょうか)を競(きそ)う「紅白(こうはく)歌合戦(うたがっせん)」という番組(ばんぐみ)がNHKというテレビ局(きょく)から放送(ほうそう)されます。

除夜(じょや)の鐘(かね)

そして、大晦日の23時(にじゅうさんじ)頃(ごろ)から元日(がんじつ)の1時(いちじ)頃にかけて、近(ちか)くのお寺(てら)から「除夜の鐘」の音(おと)が聞(き)こえてきます。

「除夜の鐘」とは、仏教(ぶっきょう)における108個(ひゃくはっこ)の煩悩(ぼんのう)、つまり人間(にんげん)の愚(おろ)かな欲望(よくぼう)を自分の心(こころ)から断(た)ち切(き)るために、大晦日の夜に撞(つ)くものです。

除夜の鐘は、お坊(ぼう)さんだけではなく一般人(いっぱんじん)でも撞くことができるお寺があるので、興味(きょうみ)のある方(かた)は事前(じぜん)に調(しら)べてみてください。

初詣(はつもうで)

最後(さいご)に、「初詣」についてです。

初詣とは、新年の初(はじ)めに神様(かみさま)や仏様(ほとけさま)にご挨拶(あいさつ)をする参拝(さんぱい)のことです。詳(くわ)しくは、こちらをご覧(らん)ください。

もちろん太陽(たいよう)が昇(のぼ)ってからでも構(かま)いませんが、人によっては大晦日の夜に神社(じんじゃ)やお寺(てら)へ出向(でむ)き、寒(さむ)い中(なか)年越しの瞬間(しゅんかん)を待(ま)っていたりします。

終(お)わりに ~年末の挨拶(あいさつ)~

いかがでしたか?

このように、お祭(まつ)りが大好(だいす)きな日本人はクリスマスもお正月も存分(ぞんぶん)に満喫(まんきつ)したいので、12月は両方(りょうほう)の準備で毎年大変(たいへん)なのです!

けれど、それも冬(ふゆ)の風物詩(ふうぶつし)として私たちは楽(たの)しんでいます。

さて、上(うえ)のイラストのお坊さんが「良(よ)いお年(とし)をお迎(むか)えくださいませ!」と言っていますが、これはその年(とし)の最後の別(わか)れの挨拶です。それを省略(しょうりゃく)して、私たちはよく「良(よ)いお年(とし)を!」と言いますので、覚(おぼ)えておきましょう。

また、「今年(ことし)もお世話(せわ)になりました」や、

「来年(らいねん)もよろしくお願(ねが)いします」も年末(ねんまつ)の挨拶です。

では、少(すこ)し早(はや)いですが、

「皆(みな)さん、今年もお世話になりました! 良いお年をお迎えください、そして来年もよろしくお願いします!!」

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