「干支(えと)」って何(なに)? ~来年(らいねん)は卯(うさぎ)年(どし)~

日本の昔話(むかしばなし):Japanese old tales

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「年賀状(ねんがじょう)」に描(えが)かれる「干支(えと)」

こんにちは、ミカです!

早(はや)いもので、もう11月(じゅういちがつ)も終(お)わってしまいますね。

12月(じゅうにがつ)と言(い)えば、クリスマス! でも、日本人は同時(どうじ)にお正月(しょうがつ)の準備(じゅんび)もしなければいけないので、とても忙(いそが)しいです!

上(うえ)の画像(がぞう)は、「年賀状」の一例(いちれい)です。太陽(たいよう)と鶴(つる)、富士山(ふじさん)、そして兎(うさぎ)が描(えが)かれていますね。

太陽は初日(はつひ)の出(で)、鶴は縁起(えんぎ)のいい動物(どうぶつ)、富士山は日本の象徴(しょうちょう)です。では、兎はなぜ描かれているのでしょうか?

それは、兎が来年の「干支」だからです!

ところで、「干支」とは何(なん)のことでしょうか?

「干支」とは?

「干支」とは、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を合(あ)わせた総称(そうしょう)です。しかし、近年(きんねん)では十二支だけが干支と呼(よ)ばれている印象(いんしょう)が強(つよ)いです。

「十干(じっかん)」について

「十干」とは、「甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」という、自然(しぜん)構成(こうせい)しているものに基(もと)づいた10個(じゅっこ)の要素(ようそ)のことです。

十干は10日間(とおかかん)を一(ひと)つの単位(たんい)にするために古代(こだい)中国(ちゅうごく)で考案(こうあん)されたもので、「陰陽五行説(おんみょうごぎょうせつ)」に基(もと)づいています。

例(たと)えば、「甲(きのえ)」と「乙(きのと)」は「木(き)の兄(あに)と弟(おとうと)」という意味(いみ)になっています。つまり、「~え」は「~の兄」、「~と」は「~の弟」ということですね。

「十二支(じゅうにし)」について

一方(いっぽう)「十二支」は、「子(ね)」「丑(うし)」「寅(とら)」「卯(う)」「辰(たつ)」「巳(み)」「午(うま)」「未(ひつじ)」「申(さる)」「酉(とり)」「戌(いぬ)」「亥(い)」という12種類(じゅうにしゅるい)の動物(どうぶつ)になります。

なぜ12種類なのかと言(い)うと、紀元前(きげんぜん)の中国では木星(もくせい)の動(うご)きで年(とし)を数(かぞ)えていたからなのです。木星の公転(こうてん)周期(しゅうき)は12年(ねん)なので、それに合(あ)わせて十二支を作(つく)りました。

十二支の動物(どうぶつ)の漢字(かんじ)は、本来(ほんらい)のものとは異(こと)なります。普通(ふつう)は、「鼠(ねずみ)」「牛(うし)」「虎(とら)」「兎(うさぎ)」「龍(りゅう)」「蛇(へび)」「馬(うま)」「羊(ひつじ)」「猿(さる)」「鶏(とり)」「犬(いぬ)」「猪(いのしし)」だからです。

それは、当初(とうしょ)の十二支の漢字には数字(すうじ)の意味(いみ)しかなかったからです。しかし、覚(おぼ)えやすくするため、後(のち)に動物をモチーフにしたのです。

今年(ことし)は寅年(とらどし)、来年(らいねん)は卯年(うさぎどし)、再(さ)来年は辰年(たつどし)です。さぁ、あなたは何(なに)年生(う)まれですか? ちなみに、私は申年(さるどし)生まれです。

十干と十二支の使(つか)い方(かた)と還暦(かんれき)

十干と十二支は、二(ふた)つを合(あ)わせて方角(ほうがく)や時刻(じこく)、年(とし)を表(あらわ)すことができます。また、占(うらな)いで使(つか)うこともあります。

こちらは、方角の図(ず)です。来年の恵方(えほう)を示(しめ)しています。

年(とし)の方(ほう)は、十干十二支早見表をご覧(らん)ください。

私は1992年(せん/きゅう/ひゃく/きゅうじゅう/に/ねん)生まれなので、「壬申(みずのえさる)年(どし)」生まれということになります。

私の母(はは)は1962年(せん/きゅうひゃく/ろくじゅう/に/ねん)生まれなので、「壬寅(みずのえとら)年(どし)」生まれです。ちょうど60年(ろくじゅうねん)後(ご)の今年(ことし)も壬寅年なので、十干十二支の全(すべ)ての組(く)み合(あ)わせである60(ろくじゅっ)通(とお)りを一周(いっしゅう)したことになります。

ですから、日本では60歳になった人、つまり還暦(かんれき)を迎(むか)えた人を祝(いわ)う習慣(しゅうかん)があります。

還暦の人には、厄(やく)除(よ)けや魔(ま)除けの効果(こうか)がある赤色(あかいろ)のものを贈(おく)ります。

十二支の動物(どうぶつ)はどうやって決(き)めたのか

中国(ちゅうごく)の場合(ばあい)

ところで、十二支の動物は、どうやって決められたのでしょうか?

中国では、このように決められました。

・子(ね/ねずみ):繁殖力(はんしょくりょく)が強(つよ)いので、子孫(しそん)繫栄(はんえい)の象徴(しょうちょう)として

・丑(うし):力強(ちからづよ)さ、粘(ねば)り強(づよ)さ、誠実(せいじつ)さの象徴として

・寅(とら):勇猛(ゆうもう)果敢(かかん)の象徴として

・卯(う/うさぎ):安全(あんぜん)、飛躍(ひやく)、向上(こうじょう)の象徴として

・辰(たつ/りゅう):権力(けんりょく)の象徴として

・巳(み/へび):永遠(えいえん)、生命(せいめい)、再生(さいせい)の象徴として

・午(うま):健康(けんこう)や豊作(ほうさく)の象徴として

・未(ひつじ):家内(かない)安全(あんぜん)の象徴として

・申(さる):賢(かしこ)さの象徴として

・酉(とり):商売(しょうばい)繁盛(はんじょう)の象徴として

・戌(いぬ):忠実(ちゅうじつ)さの象徴として

・亥(い/いのしし):無病(むびょう)息災(そくさい)、猪突(ちょとつ)猛進(もうしん)の象徴として

日本の場合

中国と日本の十二支は同(おな)じですが、実(じつ)は日本には十二支に纏(まつ)わる昔話(むかしばなし)があります。

昔々(むかしむかし)、神様(かみさま)が動物(どうぶつ)たちに手紙(てがみ)を出(だ)しました。

その手紙は、「1月(いちがつ)1日(ついたち)の朝(あさ)、1番目(いちばんめ)から12番目(じゅうにばんめ)に私のところに来(き)た動物たちを、それぞれの年(とし)の大将(たいしょう)にしましょう。」という内容(ないよう)でした。

そこで、牛(うし)は考(かんが)えました。自分(じぶん)は足(あし)が遅(おそ)いから、早(はや)めに出発(しゅっぱつ)するようにしよう、と。

また、ずる賢(がしこ)い鼠(ねずみ)は考えました。牛は早めに出発するだろうから、自分は牛の背中(せなか)で眠(ねむ)って運(はこ)んでもらおう、と。

さらに、猫(ねこ)には嘘(うそ)を吐(つ)きました。「本当(ほんとう)は、1日(ついたち)じゃなくて2日(ふつか)の朝(あさ)らしいよ」、と。

猫は、その話(はなし)をすっかり信(しん)じてしまいました。

そして、1月1日の朝。背中(せなか)に鼠がいることに気(き)づかないまま、牛は急(いそ)いで神様のところへ向(む)かいました。鼠は、「うまくいったぞ」と心(こころ)の中(なか)で高笑(たかわら)い。

しかしゴールの直前(ちょくぜん)で、虎(とら)が牛に言(い)いました。

「おい、お前(まえ)の背中に鼠が乗っているぞ!」

しまった、と焦(あせ)った鼠は牛から飛(と)び降(お)りて、一目散(いちもくさん)にゴールへ走(はし)りました。

こうして、鼠は十二支の1番目(いちばんめ)の動物(どうぶつ)になったのです。

しかし、十二支に入(はい)れないように嘘(うそ)を吐(つ)かれた猫は鼠に大激怒(だいげきど)!!

そのような理由(りゆう)があって、猫は鼠を捕(つか)まえて食(た)べるようになったのでした。

また、犬(いぬ)と猿(さる)は競走中(きょうそうちゅう)もゴール後(ご)の宴(うたげ)の最中(さいちゅう)もずっと喧嘩(けんか)をしていたので、「犬猿(けんえん)の仲(なか)」という諺(ことわざ)が生(う)まれたそうです。

終(お)わりに

いかがでしたか?

中国や日本だけではなく、韓国(かんこく)・台湾(たいわん)・チベット・タイ・ベトナム・ロシア・モンゴルなどの国々(くにぐに)や地域(ちいき)にも十二支はあるそうですね。

しかし、やはり十二支にもお国柄(くにがら)が出(で)ているようで、チベット・タイ・ベトナム・ベラルーシには猫が、ベトナムには水牛(すいぎゅう)が、モンゴルには寅の代(か)わりに豹(ひょう)がいるんだとか!

また、神社(じんじゃ)やお寺(てら)へ初詣(はつもうで)へ行(い)ったら、兎(うさぎ)柄(がら)の絵馬(えま)があると思(おも)います。

気(き)に入(い)ったら、ぜひその絵馬に2023年(にせん/にじゅう/さん/ねん)の目標(もくひょう)や願(ねが)い事(ごと)を書(か)いてくださいね!

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