日本のお正月(しょうがつ)遊(あそ)び 

日本の正月(しょうがつ): Japanese New Year's Day

※「謹賀新年(きんがしんねん)」とは、「謹(つつし)んで新年(しんねん)をお祝(いわ)いいたします」という意味(いみ)です。目上(めうえ)の人(ひと)に対(たい)して使(つか)います。

English article is here; https://japaneselanguagesalonbymikapanda.com/japanese-playing-for-new-years-holidays-1300

童謡(どうよう)「お正月(しょうがつ)」

皆(みな)さん、こんにちは! ミカです。

クリスマスが終(お)わり、年末(ねんまつ)が近(ちか)づいていますが、いかがお過(す)ごしでしょうか?

さて、上(うえ)の動画(どうが)は「お正月」という歌(うた)をピアノで演奏(えんそう)しているものです。

この歌詞(かし)は「早(はや)くお正月が来(き)て欲(ほ)しいな、早くお正月の遊びをしたいな」という内容(ないよう)なのですが、歌詞だけまだ著作権(ちょさくけん)がありますので、メロディーだけ紹介(しょうかい)しました。

歌詞を知(し)りたい方(かた)は、You Tubeで「お正月」と検索(けんさく)すれば歌詞付(つ)きの動画がたくさん出(で)てきますので、探(さが)してみてください。

その「お正月」の歌詞には、「凧(たこ)揚(あ)げ」「独楽(こま)回(まわ)し」「毬(まり)つき」「羽根(はね)つき」という4(よっ)つのお正月の遊びが出てきます。

ですので今回(こんかい)は、その4つとそれ以外(いがい)のお正月の遊びについて紹介したいと思(おも)います!

「お正月」に出(で)てくる遊(あそ)び

凧(たこ)揚(あ)げ

 

まず最初(さいしょ)に登場(とうじょう)するのは、「凧揚げ」です。

凧は、古代(こだい)中国(ちゅうごく)では占(うらな)いや戦(たたか)いで用(もち)いられていました。

やがて日本に伝(つた)わると、平安(へいあん)時代(じだい)【794~1192】は貴族(きぞく)たちの遊戯(ゆうぎ)として楽(たの)しまれていましたが、戦国(せんごく)時代【1467~1600】は敵陣(てきじん)へ放火(ほうか)するための兵器(へいき)として使(つか)われていました。

そして平和(へいわ)な江戸(えど)時代になると、今度(こんど)は庶民(しょみん)の遊びとして人々(ひとびと)に定着(ていちゃく)します。特(とく)に男(おとこ)の子(こ)の誕生(たんじょう)祝(いわ)いとして行(おこな)われていた為(ため)、「高(たか)く上(あ)がれば上がるほど元気(げんき)に育(そだ)つ」と信(しん)じられていました。

現代(げんだい)の子供(こども)たちは、キャラクターたちの描(えが)かれた凧で楽しく遊びます。

独楽(こま)回(まわ)し

2(ふた)つ目(め)はベイブレードのご先祖(せんぞ)様(さま)である独楽ですが、なんとこれは古代エジプト発祥(はっしょう)のものだそうです!

日本には奈良(なら)時代【710~794】に伝来(でんらい)し、手(て)で回(まわ)すか紐(ひも)を巻(ま)いて回すかのどちらかで回して遊(あそ)ぶものになりました。

どちらかと言(い)うと、上(うえ)の動画のように紐を巻いて回すのが主流(しゅりゅう)なのではないでしょうか。

イラストのように、二人(ふたり)で独楽を回し、先(さき)に止(と)まった方(ほう)が負(ま)けというルールで勝負(しょうぶ)する子供たちが多(おお)いと思(おも)います。

また、動画の後半(こうはん)のように、芸(げい)の道具(どうぐ)として使(つか)われることもあります。

毬(まり)つき

3(みっ)つ目は毬つきです。毬とは、古代(こだい)中国(ちゅうごく)から奈良(なら)時代の日本に伝(つた)わったボールのことです。平安(へいあん)時代では、貴族(きぞく)が「蹴鞠(けまり)」というサッカーのような遊びをしていましたが、江戸(えど)時代には女(おんな)の子(こ)の遊(あそ)び道具(どうぐ)として定着(ていちゃく)していました。

毬は、刺繍(ししゅう)によって作(つく)られる芸術品(げいじゅつひん)でもあります。

また、毬をつきながら歌(うた)う「手毬唄(てまりうた)」というものも生(う)まれました。「あんたがたどこさ」は、その代名詞(だいめいし)と言(い)えるでしょう。

ちなみに、劇場版(げきじょうばん)「名探偵(めいたんてい)コナン」第(だい)7作目(ななさくめ)・「迷宮(めいきゅう)の十字路(クロスロード)」に出(で)てきたこの歌(うた)で、幼(おさな)かった遠山(とおやま)和葉(かずは)ちゃんが毬をついていましたが、この歌は手毬唄ではなく飽(あ)くまで京都(きょうと)の通(とお)りを覚(おぼ)える為(ため)の歌のようです。

羽根(はね)つき

4(よっ)つ目(め)の羽根つきは、バドミントンのような遊(あそ)びです。「お正月」の歌(うた)では「追(お)い羽根(ばね)」とありますが、同(おな)じものです。

羽根つきは、「羽子板(はごいた)」という木(き)の板(いた)で、黒(くろ)い玉(たま)と鳥(とり)の羽根で出来(でき)たシャトルを打(う)つ遊(あそ)びです。

黒い玉は「無患子(むくろじ)」という植物(しょくぶつ)の実(み)です。「子(こ)が患(わずら)わ無(な)い」という意味(いみ)の名前(なまえ)なので、子供(こども)の健康(けんこう)を願(ねが)う遊びとなりました。

また、羽根つきの羽根は鳥のものですが、それが飛(と)ぶ様子(ようす)はトンボが飛んでいる姿(すがた)に見立(みた)てられています。

トンボは、害虫(がいちゅう)である蚊(か)を食(た)べてくれる益虫(えきちゅう)です。なので、羽根つきも厄除(やくよ)けの意味(いみ)合(あ)いを持(も)つ遊(あそ)びになりました。

「お正月」の歌(うた)にない遊(あそ)び

かるた・百人一首(ひゃくにんいっしゅ)

「カルタ」の語源(ごげん)は、ポルトガル語(ご)で「カード」を意味(いみ)する「carta」という単語(たんご)です。

カルタには、絵札(えふだ)と読(よ)み札(ふだ)があります。読み手(て)が読み札の文(ぶん)を読み、参加者(さんかしゃ)が読まれた読み札に対応(たいおう)する絵札に速(はや)く触(ふ)れて取(と)るゲームです。取った絵札が一番(いちばん)多(おお)い人(ひと)が勝(か)ちというルールです。

現代(げんだい)では「あいうえお」順(じゅん)のキャラクターものが多いですが、カルタの発祥(はっしょう)は江戸(えど)時代(じだい)中期(ちゅうき)に生(う)まれた「いろはかるた」です。

「いろは」とは「いろは歌(うた)」のことで、「あいうえお」の代(か)わりに文字(もじ)を覚(おぼ)える為(ため)に作(つく)られました。そして「いろはかるた」とは、子供(こども)たちに覚えてもらう為(ため)に諺(ことわざ)を題材(だいざい)にしたものです。

例(たと)えば、これは「馬(うま)の耳(みみ)に念仏(ねんぶつ)」という諺の絵札です。

この諺は、「馬に念仏を唱(とな)えても意味(いみ)がない」、つまり「無駄(むだ)である」という意味です。

また、「小倉(おぐら)百人一首(ひゃくにんいっしゅ)」の100首(ひゃくしゅ)の和歌(わか)を題材(だいざい)にしたものは「百人一首」と言(い)います。

百人一首は、絵札(えふだ)ではなく取(と)り札を床(ゆか)に置(お)きます。しかも、取り札には和歌の後半(こうはん)しか書(か)かれていません。つまり、100首(ひゃくしゅ)の全(すべ)てを完璧(かんぺき)に覚え、読(よ)み手(て)が前半(ぜんはん)部分(ぶぶん)を読(よ)んでいる間(あいだ)に札を取るのが有利(ゆうり)、ということになります。

この動画(どうが)の子供(こども)たちは、100首(ひゃくしゅ)ある百人一首の和歌を全(すべ)て覚(おぼ)えているので、前半(ぜんはん)部分(ぶぶん)が読(よ)まれている間(あいだ)に札(ふだ)を取(と)ることができます。

福(ふく)笑(わら)い

福笑いとは、目隠(めかく)しをした人(ひと)が、顔(かお)の輪郭(りんかく)に目(め)・鼻(はな)・口(くち)といったパーツを置(お)く遊(あそ)びです。

目隠しをしていますので、大抵(たいてい)可笑(おか)しな出来(でき)になります。日本には「笑(わら)う門(かど)には福(ふく)来(きた)る」という、「人々(ひとびと)が笑っているところには幸運(こううん)がやって来(く)る」という意味(いみ)の諺(ことわざ)があるので、その為(ため)の遊(あそ)びなのかもしれません。

けん玉(だま)

けん玉は日本発祥(はっしょう)と思(おも)われがちですが、実(じつ)はルーツは未(いま)だに判明(はんめい)していないそうです。

江戸(えど)時代には「負(ま)けたら酒(さけ)を飲(の)む」というルールで遊(あそ)ばれていた記録(きろく)があるそうですが、今(いま)の形(かたち)になったのは大正(たいしょう)時代(じだい)【1912~1926】。そして、戦後(せんご)は子供(こども)たちの間(あいだ)で大流行(おおはや)りとなりました。

ダルマ落(お)とし

動画(どうが):https://www.youtube.com/watch?v=Rky2LI7RSgU

ダルマ落としとは、ダルマの下(した)にある段(だん)を小槌(こづち)で叩(たた)き、ダルマが倒(たお)れないように最後(さいご)まで段を叩いて外(はず)し続(つづ)けるゲームです。

そもそも「ダルマ」とは、一年(いちねん)の初(はじ)めに片目(かため)だけ瞳(ひとみ)が黒(くろ)く塗(ぬ)られているものを購入(こうにゅう)し、その年(とし)の願(ねが)い事(ごと)が叶(かな)ったら自分(じぶん)でもう片方の瞳を描(えが)くという習(なら)わしのある厄除(やくよ)けの縁起物(えんぎもの)です。

ダルマのモデルになったのは、中国(ちゅうごく)禅宗(ぜんしゅう)の開祖(かいそ)である、「菩提(ぼだい)達磨(だるま)」という僧侶(そうりょ)です。

ちなみに、日本人はスノーマンのことを「雪(ゆき)だるま」と言(い)います。

終(お)わりに

いかがでしたか?

現代(げんだい)の子供(こども)たちはゲームに夢中(むちゅう)ですが、お正月(しょうがつ)は親戚(しんせき)が集(あつ)まって団欒(だんらん)を楽(たの)しむ期間(きかん)ですから、大人(おとな)やお年寄(としよ)りも交(まじ)えて遊(あそ)べるものが必要(ひつよう)なのではないかと私は思(おも)います。

何(なに)より、大切(たいせつ)な日本文化(ぶんか)の一(ひと)つですから、できるだけ後世(こうせい)に伝(つた)える努力(どりょく)をしなければいけないですよね!

というわけで、私は父方(ちちかた)の実家(じっか)で百人一首(ひゃくにんいっしゅ)を頑張(がんば)るつもりです!

最後(さいご)に、皆(みな)さんの国(くに)にもお正月(しょうがつ)の遊(あそ)びや習慣(しゅうかん)があったら、ぜひ教(おし)えてください♪

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