10月(じゅうがつ)は神様(かみさま)がいない!? ~神様と出雲大社(いづもたいしゃ)~

日本神話(しんわ): Japanese mythology

English article is here; https://japaneselanguagesalonbymikapanda.com/no-gods-in-october-japanese-gods-and-izumo-taisya-shrine-1047

はじめに:「神無月(かんなづき)」とは?

こんにちは、ミカです!

10月も半(なか)ばを過(す)ぎ、東京近郊(きんこう)は晴(は)れないと肌寒(はだざむ)い季節(きせつ)となりました。私は寒(さむ)いのが苦手(にがて)なのですが、皆(みな)さんはいかがでしょうか?

さて、10月は昔(むかし)の呼(よ)び方(かた)で「神無月(かんなづき)」と言(い)います。「神様がいない月(つき)」という意味(いみ)ですが、一体(いったい)どういうことなのでしょうか!?

以前(いぜん)もブログで紹介(しょうかい)しましたが、日本には自然界(しぜんかい)のあらゆる物(もの)に「八百万(やおよろず)の神々(かみがみ)」が宿(やど)っているという宗教観(しゅうきょうかん)があり、全国(ぜんこく)津々浦々(つつうらうら)にそれぞれの神(かみ)を祀(まつ)る神社(じんじゃ)があります。

*日本の宗教観、「神道(しんとう)」についてはこちらをご覧(らん)ください。

しかし、旧暦(きゅうれき)の10月になると、ほとんどの神様が「あるところ」に集結(しゅうけつ)するので、神社から神様がいなくなってしまいます!

ですから、10月は「神の居(い)無(な)い月」、つまり「神無月」と呼ばれているのです。

では、神様が集結(しゅうけつ)する「あるところ」とはどこなのでしょうか?

答(こた)えは、島根県(しまねけん)にある「出雲大社」です!

なぜ出雲大社に集(あつ)まるの?

2022(にせん/にじゅう/に)年(ねん)の旧暦10月は、10月25日(にじゅうご/にち)から11月(じゅういち/がつ)23日(にじゅうさん/にち)までです。

そのうちの7日間(なのかかん)、日本全国(ぜんこく)のほぼ全(すべ)ての神様が「出雲大社」に集まっています。「出雲大社」は、神々を祀る神社の中心(ちゅうしん)とされているからです。

ですから、島根県では逆(ぎゃく)に10月のことを「神在月(かみありづき)」、つまり「神の在(あ)る月」と言(い)われます。

では、なぜ全国の神様は出雲大社に集まるのでしょうか?

それは、来年(らいねん)の収穫(しゅうかく)や人(ひと)と人とのご縁(えん)などの神事(しんじ)を相談(そうだん)して決(き)める会議(かいぎ)、つまり「神議(かみはか)り」をするためです。

特(とく)に、出雲大社は「縁結(えんむす)び」の神社として有名(ゆうめい)なので、理想(りそう)の相手(あいて)との結婚(けっこん)を望(のぞ)む女性(じょせい)やカップルたちの聖地(せいち)と言(い)っても過言(かごん)ではありません。

そもそも、「出雲大社」とは?

「大国主命(オオクニヌシノミコト)」

「出雲大社」とは、「大国主命(オオクニヌシノミコト)」という神を祀った神社です。

大国主命は須佐之男命(スサノオノミコト)の子孫(しそん)であり、現在(げんざい)の出雲地方(ちほう)に豊(ゆた)かな大国(たいこく)を築(きず)いたことから、「大国主命」と呼ばれています。

その大国を天照大御神(アマテラスオオミカミ)に献上(けんじょう)し、彼女(かのじょ)に喜(よろこ)ばれたことから、大国主命はその住居(じゅうきょ)として出雲大社を与(あた)えられました。

大国主命と兎(うさぎ)

ところで、先程(さきほど)のイラストの大国主命の隣(となり)に兎がいましたが、なぜでしょうか?

もちろん、大国主命と兎には深(ふか)い関係(かんけい)があり、上(うえ)の写真(しゃしん)のように出雲大社には61(ろくじゅう/いち)羽(わ)の兎の像(ぞう)があります。

大国主命と兎は、「因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)」という神話(しんわ)に登場(とうじょう)します。

昔々(むかしむかし)、隠岐(おき)の島(しま)から因幡の国(くに)へ渡(わた)ろうとした兎は、鮫(さめ)たちを騙(だま)そうと考(かんが)えました。兎は鮫たちを一列(いちれつ)に並(なら)ばせ、一匹(いっぴき)ずつに飛(と)び乗(の)って海(うみ)を越(こ)えました。そして利用(りよう)されたことに怒(いか)った鮫は、兎の毛皮(けがわ)を剥(は)いでしまったのです!

痛(いた)がって泣(な)いている兎を兄(あに)たちとの旅(たび)をしている時(とき)に見(み)つけた大国主命は、「真水(まみず)で体(からだ)を洗(あら)ってから、蒲(がま)の穂(ほ)を地面(じめん)に敷(し)いて寝転(ねころ)がりなさい。そうすれば、元通(もとどお)りになりますよ。」と助言(じょげん)しました。

兎がその通(とお)りにしてみると、何(なん)と、本当(ほんとう)に兎の体は元通りになったのです!

大国主命に感謝(かんしゃ)した兎は、「因幡で最(もっと)も美(うつく)しい八上姫(やかみひめ)は、あなたの兄ではなく、あなたと結婚するでしょう。」と予言(よげん)しました。

すると、兎の予言は実現(じつげん)し、大国主命が八上姫と結(むす)ばれることになったのです。

出雲大社には、様々(さまざま)な仕草(しぐさ)や表情(ひょうじょう)をしている兎の像があちこちにあるので、訪問(ほうもん)の際(さい)はぜひ見物(けんぶつ)してみてくださいね!

出雲大社の神事(しんじ)

神(かみ)迎(むか)えの儀式(ぎしき)「神迎祭(かみむかえさい)」

毎年(まいとし)旧暦10月10日(とおか)の夜(よる)に、出雲大社の神職者(しんしょくしゃ)たちが、出雲大社へやって来(く)る神々(かみがみ)を迎える儀式「神迎祭」を執(と)り行(おこな)います。

※「神迎祭」は観光(かんこう)行事(ぎょうじ)ではないので、観客席(かんきゃくせき)などはありません。控(ひか)え目(め)に見物(けんぶつ)し、撮影時(さつえいじ)もフラッシュをたかないようにしてください。

開催(かいさい)場所(ばしょ)は、出雲大社から西(にし)へ1km(いち/キロメートル)離(はな)れたところにある「稲佐(いなさ)の浜(はま)」という海岸(かいがん)です。写真のように、鳥居(とりい)のある岩(いわ)が目印(めじるし)になっています。

日本全国の神々は、稲佐の浜から上陸(じょうりく)し、そのまま出雲大社へ向(む)かいます。

また、鳥居のある岩は「弁天島(べんてんじま)」と言(い)って、安産(あんざん)や子宝(こだから)のご利益(りやく)を司(つかさど)る「豊玉毘古命(トヨタマヒコノミコト)」という神様が祀られています。ですから、縁結びの出雲大社と一緒(いっしょ)に参拝(さんぱい)する女性(じょせい)が多(おお)いそうです。

稲佐の浜はきれいな夕日(ゆうひ)が見(み)られる良(い)い場所(ばしょ)でもあるので、ぜひ日没(にちぼつ)の時間帯(じかんたい)に訪(おとず)れてみてください!

「神在祭(かみありさい)」

「神在祭」とは、旧暦10月11日(じゅういち/にち)から17日(じゅうしち/にち)までの7日間(なのかかん)、つまり神々が出雲大社に滞在(たいざい)し「神議(はか)り」をしている間(あいだ)のお祭(まつ)りです。

しかし、残念(ざんねん)ながら一般(いっぱん)の方(かた)は参列(さんれつ)できません。

「縁結(えんむすび)大祭(たいさい)」

旧暦10月15日(じゅうご/にち)と17日に、「神在祭」と併(あわ)せて催(もよお)されます。こちらは一般の方の参拝(さんぱい)が可能(かのう)ですが、出雲大社への申(もう)し込(こ)みが必要(ひつよう)です。

ただし、ホームページに英語(えいご)での案内(あんない)がないので、日本語(にほんご)のわかる方(かた)に手伝(てつだ)ってもらってください。申し込みは、往復(おうふく)葉書(はがき)で行(おこな)うそうです。参加費(さんかひ)は5000(ごせん)円(えん)となっています。

「神等去出祭(からさでさい)」

旧暦10月17日、つまり「神議り」の最後(さいご)の日(ひ)に、神々をお送(おく)りするための「神等去出祭」が行(おこな)われます。

そして26日(にじゅうろく/にち)に、出雲大社にて改(あらた)めて儀式を行い、大国主命に「神議り」の終了(しゅうりょう)を報告(ほうこく)します。

飛行機(ひこうき)で出雲大社へ行(い)く時(とき)の注意点(ちゅういてん)

さて、そろそろ出雲大社への行き方をご案内(あんない)しましょう!

まず、出雲大社の最寄(もよ)り空港(くうこう)はJALとFDAの便(びん)が発着(はっちゃく)する「出雲縁結び空港」ですが、実(じつ)はこの空港、濃霧(のうむ)が頻繁(ひんぱん)に発生(はっせい)することで離着陸(りちゃくりく)にトラブルが生(しょう)じる可能性(かのうせい)が高(たか)いのです!!

というわけで、私と母(はは)は鳥取県(とっとりけん)にある「米子(よなご)鬼太郎(きたろう)空港(くうこう)」を利用し、そこからレンタカーで出雲大社まで向かいました!

車(くるま)ですと約(やく)1時間(いちじかん)半(はん)、電車(でんしゃ)とバスの場合は約2時間(にじかん)で到着(とうちゃく)します。しかし、電車やバスは東京のように頻繁(ひんぱん)にやって来ないので、やはり自由(じゆう)に動(うご)けるレンタカーがおすすめです。

また、米子鬼太郎空港の近(ちか)くには「水木(みずき)しげる記念館(きねんかん)」がありますので、ファンの方はそちらも見逃(みのが)せませんね!

更(さら)に、記念館の最寄り駅(えき)である「境港(さかいみなと)駅」周辺(しゅうへん)でも、妖怪(ようかい)たちの像(ぞう)や目玉(めだま)おやじの街灯(がいとう)、鬼太郎たちが描(えが)かれた「鬼太郎列車(れっしゃ)」などを見ることができます! 特に妖(あや)しい雰囲気(ふんいき)を感(かん)じる夜がおすすめです!!

終(お)わりに:「八重垣(やえがき)神社」について

【島根県(しまねけん):八重垣(やえがき)神社】

いかがでしたか?

今月(こんげつ)11日に水際(みずぎわ)対策(たいさく)が緩和(かんわ)されたので、観光(かんこう)で日本へ入国(にゅうこく)できる方がどんどん増(ふ)えてくるのではないかと期待(きたい)しています。

ちょうどこれからが出雲大社のシーズンですから、興味(きょうみ)のある方はぜひ訪(たず)ねてみてください!

また、出雲大社周辺(しゅうへん)には、須佐之男命(スサノオノミコト)とその妻(つま)・櫛名田比売命(クシナダヒメノミコト)が祀(まつ)られている「八重垣神社」などの観光(かんこう)名所(めいしょ)がたくさんあります。

八重垣神社の奥(おく)にある「鏡(かがみ)の池(いけ)」では、神社で作(つく)っている特別(とくべつ)な紙(かみ)に小銭(こぜに)を乗(の)せて水面(すいめん)に浮(う)かばせると、恋(こい)占(うらな)いの文(ぶん)が現(あらわ)れます。

そして、紙が沈(しず)むまでに移動(いどう)した距離(きょり)や動(うご)き方、かかった時間(じかん)で、結(むす)ばれる相手(あいて)と出会(であ)うまでの期間(きかん)や出会い方も占えるそうですよ!

長(なが)くなってしまいましたが、恋愛(れんあい)や結婚(けっこん)に興味(きょうみ)のある方もない方も、ぜひ日本神話(しんわ)の聖地(せいち)・出雲へ足(あし)をお運(はこ)びください!

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