お盆(ぼん) ~ご先祖(せんぞ)様(さま)と共(とも)に過(す)ごす日(ひ)~

仏教(ぶっきょう): Buddhism

English article is here; https://japaneselanguagesalonbymikapanda.com/obon-the-days-in-the-middle-of-summer-to-stay-with-our-ancestors-1601

「お盆」とは?

こんにちは、ミカです!

この記事(きじ)は「春分(しゅんぶん)の日(ひ)」に書(か)いていますが、一足先(ひとあしさき)に、皆(みな)さんに「お盆(ぼん)」についてご紹介(しょうかい)したいと思(おも)います。

「お盆(ぼん)」とは、8月(はちがつ)13日(じゅうさんにち)から15日(じゅうごにち)にかけて、亡(な)くなったご先祖様を供養(くよう)し、そして、あの世(よ)からこの世(よ)へ帰(かえ)って来(く)る魂(たましい)を迎(むか)え、共(とも)に過(す)ごす日(ひ)のことです。

「春分の日」と「秋分(しゅうぶん)の日」も同(おな)じくご先祖様を供養する日ですが、お盆には「ご先祖様の魂と共に過ごす」という大(おお)きな違(ちが)いがあります。

この時期(じき)、日本各地(かくち)で「盆踊(おど)り」というものが夏祭(なつまつ)りで開催(かいさい)されますが、これはご先祖様へ捧(ささ)げる踊りなのです。

では、今回(こんかい)はそんな「お盆」について、詳(くわ)しくご紹介(しょうかい)したいと思(おも)います!

なぜ「お盆」は始(はじ)まった?

 

「お盆」は、もともと「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教(ぶっきょう)の行事(ぎょうじ)でした。

ある日(ひ)、ブッダの弟子(でし)である目連(もくれん)が、地獄(じごく)で苦(くる)しんでいる母親(ははおや)を救(すく)いたいとブッダに相談(そうだん)しました。

ブッダは、「夏(なつ)の修行(しゅぎょう)が終(お)わる旧暦(きゅうれき)の7月(しちがつ)15日に、他(ほか)の僧(そう)たちと共にお母(かあ)さまを供養して差(さ)し上(あ)げなさい。そうすれば、彼女(かのじょ)は救われるでしょう」と目連に言(い)いました。

すると、目連の母(はは)は無事(ぶじ)成仏(じょうぶつ)することができたのです。これが、お盆の起源(きげん)である「盂蘭盆会」の始まりでした。

お盆はどのように過ごすの?

お盆の装飾(そうしょく)

まずお盆入(い)りの13日になったら、お仏壇(ぶつだん)をきれいにして、花(はな)や供物(くもつ)などをお供(そな)えしなければなりません。

また、お仏壇の傍(かたわ)らには、魂(たましい)を導(みちび)く目印(めじるし)として「盆提灯(ちょうちん)」を設置(せっち)します。

上(うえ)から吊(つ)るすものは「御所(ごしょ)提灯」、床(ゆか)に置(お)くものは「大内(おおうち)行燈(あんどん)」と言います。

次(つぎ)に……さて、このキュウリとナスは何(なに)を表(あらわ)していると思いますか?

正解(せいかい)は、キュウリが馬(うま)、ナスが牛(うし)です。これらは「精霊馬(しょうりょううま)」と「精霊牛(しょうりょううし)」と言い、ご先祖様が馬に乗(の)って速(はや)くこの世に帰って来ますように、そして牛に乗ってゆっくりとあの世へ戻(もど)っていきますようにという願(ねが)いが込(こ)められています。

迎(むか)え火(び)・送(おく)り火(び)

さて、ご先祖様をお迎えする準備(じゅんび)ができたら、日没後(にちぼつご)は「迎え火」を焚(た)いてご先祖様を誘(いざな)います。

子孫(しそん)の一人一人(ひとりひとり)が儀式(ぎしき)を終えたら、迎え火は完了です。それから3日間(みっかかん)、ご先祖様は子孫と共に過ごされます。

そして、15日の日没後は「送り火」を焚きます。ご先祖様をあの世へ見送(みおく)るためです。これも、子孫の儀式が終わったら完了となります。

仏膳(ぶつぜん)

また、お盆の間(あいだ)は、ご先祖様にも家族(かぞく)と同じ食事(しょくじ)をお供えします。これを、仏膳(ぶつぜん)と言います。なぜなら、日本では亡(な)くなった人(ひと)のことを、仏教徒(ぶっきょうと)でなくても悟(さと)っていなくても「仏様(ほとけさま)」と言うからです。

なぜ亡(な)くなった人を「仏(ほとけ)様(さま)」と呼(よ)ぶのか

何(なん)とも不思議(ふしぎ)な習慣(しゅうかん)ですが、その理由(りゆう)は今(いま)から約(やく)1000年前(せんねんまえ)の平安時代(へいあんじだい)末期(まっき)の風習(ふうしゅう)にあります。

【東大寺(とうだいじ)の奈良(なら)の大仏(だいぶつ)】

仏教が日本に伝(つた)わったのは6世紀(ろくせいき)のことで、奈良時代(ならじだい)【710~794】には聖武天皇(しょうむてんのう)が東大寺(とうだいじ)の大仏(だいぶつ)を建設(けんせつ)させるほど、仏教が浸透(しんとう)していました。

出家(しゅっけ)をして僧(そう)になり、修行(しゅぎょう)をすれば極楽浄土(ごくらくじょうど)、つまりキリスト教(きょう)で言う「天国(てんごく)」のようなところへ行(い)けると、その頃(ころ)には既(すで)に信(しん)じられていたのです。

しかし、平安時代末期の貴族(きぞく)たちは、ここで小賢(こざか)しいことを考(かんが)えます。生前(せいぜん)に出家して修行なんてしなくても、死(し)の直前(ちょくぜん)に頭髪(とうはつ)を剃(そ)ればあの世(よ)で僧となり、優遇(ゆうぐう)されて極楽浄土へ行けるのではないか――と。

呆(あき)れたことに、この「臨終(りんじゅう)出家(しゅっけ)」という習慣(しゅうかん)は貴族たちの間(あいだ)でたちまち広(ひろ)まりました。

しかし、死の直前に頭髪を剃るのはタイミングが難(むずか)しかったので、遂(つい)には「死後(しご)に頭髪を剃れば出家したことになる」という認識(にんしき)になってしまったのです。これを、「死後出家」と言います。

こうして、「死者(ししゃ)」=「仏」という方程式(ほうていしき)ができあがってしまい、現在(げんざい)でもご先祖様のことを「仏様(ほとけさま)」、刑事(けいじ)ドラマなどでは死亡事件(しぼうじけん)の被害者(ひがいしゃ)のことを「ホトケ」と言うようになったわけです。

終(お)わりに

【日本のお墓(はか)と幽霊(ゆうれい)のイメージ】

いかがでしたか?

つまり、日本ではご先祖様を供養する日が「春分の日」、「お盆」、「秋分の日」の3回(さんかい)あるということです。

そして、お盆の時期は帰省(きせい)の季節(きせつ)でもあるので、飛行機(ひこうき)や新幹線(しんかんせん)のチケットは早(はや)めに買(か)っておきましょう!!

また、日本人の親戚(しんせき)がいて一緒(いっしょ)にお墓参(まい)りへ行く方(かた)は、くれぐれも熱中症(ねっちゅうしょう)にならないように気(き)をつけてください!

以上(いじょう)、お盆についてでした♪

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